この世界にはたくさんのおもしろいものがありますよね。例えばアンパンマン。あれはものすごくおもしろいです。 まず、顔がパンというのが良い。食べられる。自分の顔をちぎって仲間に分け与えられるカリスマ性がアンパンマンにはある。アレクサンドロス大王のよう。しかしアレクサンドロス大王は熱病に侵されて死んだが、アンパンマンは決して死ぬことはない。 ピンチになれば、ジャムおじさんに顔を取り換えてもらうことができる。ジャムおじさんは焼きあがったパンを首めがけて放り投げる。くるくる回転しながら首にぴったりはまる。力を取り戻したアンパンマンはバイキンマンをやっつける。アンパンマンは、顔を取り換えながら延命し続ける。顔を変えたアンパンマンは変化し続ける存在でありながら、顔が変わったあともアンパンマンとしての一貫性を保ち続ける。一貫性はアンパンマンの精神だけではな … [もっと読む...] about 映画パーフェクト・デイズ
供養
時間の使い方
週末に少し休む時間ができても、何か生産的なことをしていないと落ち着かず、年100本以上見てた映画も、毎週末出かけていた登山も、全然みたりやれたりできなくなりました。 こうした症状は、世間でワーカホリックと呼ぶそう。 それは単なる働きすぎとは異なり、仕事そのものに依存する状態を指している。仕事を行うという行為そのものが中毒的な行動となり、身体や精神の健康に悪影響を及ぼしているにもかかわらず、その行動を止められない。依存症とは、物質や行動に過度に依存し、それが自己や周囲に悪影響を及ぼしていても、その依存をやめられない心理的・生理的な状態のことをいい、アルコール依存では飲酒行動、ギャンブル依存ではギャンブル行動が過剰になるのと同じように、ワーカホリックの場合は、これが仕事という形で現れる。仕事が依存的な行動になった場合、個人は仕事をしていない自分 … [もっと読む...] about 時間の使い方
四苦八苦、生まれた瞬間から死に向かって生きている
「四苦八苦」という言葉は、厳しい状況や困難に直面している様子を表したいときによく使われる。だけど、もともとの意味は少し異なる。人間が生きる中で避けられない苦しみの種類を示す仏教の教えに由来している。 まず四苦とは、「生老病死」を指す。私たちは、どのような環境や条件で生まれるかを選ぶことができず、年を重ねて老い、病気を経験し、最終的には寿命を迎えて死に至る。さらに、この四苦に加え、以下の四つを合わせたものが八苦。 これら八つの苦しみは、仏教において人間が生きる上で必然的に向き合わなければならないものとされている。苦しみは、外部要因から生まれる不安な出来事ではなく、生きているという状態の不可分な一部。この苦しみは、存在そのものに伴うものだから、避けられない。 生きるとは、苦しみを抱えながら日々を過ごすこと。それを意識せずに、楽しく日々 … [もっと読む...] about 四苦八苦、生まれた瞬間から死に向かって生きている
夜行バス
夜行バスに乗るのが好きだ、と言うと不思議な顔をされることが多い。 飛行機や新幹線なら速くて楽なのに、どうしてわざわざバスを選ぶのかと。 その度に、困り笑いする。この感覚を言葉にするのは難しい。 飛行機も新幹線も確かに便利な乗り物だ。 でも、何か物足りない。 ほんの数時間で遠く離れた場所に到着してしまう。 目的地に降り立つと、周りの景色、空気も匂いも、ぜんぶ一変している。 速すぎる。 変化が唐突で、心が追いつかない。 何か大切な忘れ物をしてしまった気がする。 でも、夜行バスは違う。 時間がゆっくりと流れていく。 車内に広がる、誰かの寝息、重厚なエンジン音に、タイヤが路面をコトンとやるあの音。 身を委ねる。 過去のたのしい思い出と未来への漠然とした不安が交差する。 他 … [もっと読む...] about 夜行バス
退職エントリー
最終出社日にはご挨拶できなかった方が多く、とても心残りに思っています。多分、というか、確実にみんなの目に届くことはないだろうけれども、今の気持ちを言葉にしておきたいと思います。 BCSのみなさんとはプロジェクトにご一緒できたのは短い期間でしたが、シンプルにめちゃくちゃ楽しかったです。自分の強みがはまり、いいアウトプットが出せて、仕事が楽しいってこういう状態のことなのかって実感と経験を得ることができました。最終出社日前日は、仕事が楽しすぎて寝てしまうのがもったいなく、夜通し作業をしてしまっていたほどでした。 ただ、楽しいと感じるためには、単に自分の適性が合っているだけでは十分でなく、誰と一緒に働き、何のために取り組んでいるのかも重要な要素なんですよね。辞めることが決まってからも、変わらず一緒に戦う仲間としてコミュニケーションを取ってくださって … [もっと読む...] about 退職エントリー