躁が起動して、過活動モードに入る。
身体はもうズタボロ。自制を呼びかけてるのに、もう1人の自分には全然届かない。
このままだとやばいってわかってるのに、止められない。お先は真っ暗だけど、今はただただ突っ走ることしかできない。
そんな、きっと、おおよそ誰もわかってくれないであろう感情に共感してくれるのが、レディオヘッドのツーリストです。OK Computerのラストですね。
過充電が過ぎて、発火する。
火花がチラつくとき、いったい君はどこを目指してそんなに急いでいるの?って問いかけられる。
ちょっと待って、もっとゆっくりでいいんだよ。
落ち着かなきゃだめだよ。
…
意訳ここまで。訳すのむずいな…
さてさて、そんなやめられないとまらない感覚を、三拍子のリズムに載っけるところが素晴らしいなと思うんです。
三拍子には、「強・弱・弱」「弱・強・弱」「弱・弱・強」のパターンがあるけど、いずれにおいても、二拍子や四拍子よりも安定しない=動きやすい心情を与えますね。
ワルツみたいな舞踊曲で三拍子が多用されるのは、まさにこの作用が発揮されることを目論んでのこと。
三拍子を刻んで、例えば「右足・左足・左足」とステップを踏ませる。すると、規則がなくて不安定だから次の足を動かさずにはいられなくなる。
こうやって踊りに拍車をかけにいくんですね。
ツーリストでは、この三拍子の不安定でコロコロ転がっていくような効果を、やめられない止まらない的な心情の強調に対して活用している。
ワルツは身体にアプローチするけど、ツーリストはその客体が心理状態になってくると。
天才的ですね…
自分の信ずる事物に盲目的になり、その帰結として破滅してしまったり、苦難を受け入れて死を選ぶ殉教の精神は、最高に儚くて美しいものだなと思います。
映画でいうと、この手のテーマはアロノフスキーのレスラーや、かのダンサーインザダークでも味わえますね。
このことの美しさを教えてくれたのは、三島由紀夫の殉教です。
いずれの作品も最高に最高なので、ぜひご堪能あれ。
Hey man slow down
マイレディオヘッドプレイリストをお納めいたします。
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